ヨココネクトってなに?|理念から実際の活動、ユニークポイントまで

──ヨココネクト? なにそれ?
 それが、初めて『ヨココネクト』の名前を聞いた時に私が感じた印象でした。
 時間が流れ。本格的におとなりさんとコラボするという流れになってきた時、HPやTwitterを調べてみるものの、いまいち具体像は見えてこない……。
 そこで、今回、『コットンおとなりさんプロジェクト』では、ヨココネクトの代表兼デザイナーの江川海人さんとファシリテーター(司会者)兼広報の藤尾好太郎さんに取材を実施。
 ヨココネクトとはなんぞや、という問いを解き明かしていきたい。

ヨココネクトとは

ヨココネクト

 ヨココネクトとは、『「会話」と「遊び」でつながりをデザイン』という理念の下、横浜国立大学生の江川海斗さんが藤尾好太郎さん、松井さやかさんらと始めた活動です。
 江川さんらが活動を始めた理由は「みんなの仲がもっと良くなればいいのに」というごくありふれたものでした。当初はコミュニケーション・カードなどで理念を実現しようとしていましたがうまくいきません。
 そんな時、彼らの仲間の一人が江川さんが高校時代から作っていたゲームに目を付けました。「遊び」を介せばよりよいコミュニケーションが生まれるというヨココネクトの始まりです。
 これまで宮崎県三股町のコミュニティカフェや横浜市旭区にある左近山団地で行われた防災イベント、オンラインなど全国各地でイベントを開きました。参加者も若者だけに偏ることはなく、小学生からおばあちゃんまで幅広い世代から楽しまれ、時には60分のはずが120分になってしまったイベントもあるほどだそうです。
関連 ヨココネクトHP

なぜヨココネクトを選ぶのか

 参加者の意見をくみ取れなかった、あまり話してくれなかった、というのはイベントを開いたことがある人なら良くわかる悩みではないでしょうか。
 その問題に対して、ヨココネクトは二つの解決策を提示しています。
 まず、ヨココネクトの活動があくまで「遊び」であるということ。「遊び」は誰にでも平等にプレイすることができます。上手い下手はあるでしょう。しかし、それは新しい人を排除する要因になりえません。その特徴をヨココネクトは利用し、イベント運営につなげています。つまり、ヨココネクトを使うことで、新しい人がイベントに気軽に参加してもらえるようになる可能性が上がります。
 二つ目はヨココネクトが「会話」と「遊び」のプロフェッショナル集団であるということ。彼らは熟練のファシリテーターと七百以上の質問のデータベースでイベントをよりよいものになるようにプロデュースします。七百以上の質問は、これまでヨココネクトが何十回も経験したイベントにより、「答えやすさ」や「話の広がり」などの六項目で定量化されています。それを運営者とヨココネクトがお互い協力しながら選んでいきます。(もちろん、新しい質問を増やすこともできます)。それによって、参加者は答えやすく、運営者は普通では聞き出しずらい深い意見を引き出すことができるというWin-Winな状況にすることができます。

ヨココネクトのユニークなエピソード

子連れのあばあちゃん

 ヨココネクトは友人同士の関係だけではなく、家族の関係をも良好にするかもしれません。
 お子さん(特に男の子)はお母さんやおばあちゃんの言うことを聞きません。「今日どうだった?」と言っても「普通」とか「別に」と言われるのがオチでしょう。
 しかし、ヨココネクトはそういうおばあちゃんたちが知りたいことを知ることができます。もしかしたら質問の中に「今の趣味」や「はまっていること」などが入っているかもしれないからです。
 実際、ヨココネクトが開いたイベントでは「子どものことを良く知れた。ありがとう」とおばあちゃんが言ってくれたイベントがあったそうです。

ヨココネクトの遊び一覧

 ヨココネクトは実際どのような「遊び」を提供しているのでしょうか。
 ヨココネクトは「キミロク」や「トイツ」といったユニークな特徴を持つ五種類の「遊び」を提案しています。

キミロク

 まず、一つ目は『キミロク』です。これはヨココネクトの中でもっともベーシックなゲームで、初心者でも熟練者でも楽しめるように設計されています。
 『キミロク』は一風変わったすごろくです。普通のすごろくではマス目に「一マスすすむ」や「一回休み」と書いてありますが、『キミロク』では「あなたの趣味は?」や「イベントは楽しいですか?」などの質問が書いてあります。

キミロクの遊び方

想定人数 :二~五人
プレイ時間:三十分から二時間(ルールによる)

勝利条件
ランダムに割り振られたお宝(おはじき)をゲーム時により多くの人が持っていた人が勝ち
※あくまでお宝を多くゲットするゲームなので、すごろくのゴールのようなものはありません。

ゲームの流れ
①自分の駒の選択とプレイヤー同士の自己紹介
②駒をキミロクの中心に置く
③さいころを振る
止まったマスの質問について話す
⑤(宝石があった場合)宝石を手に入れる
※以下、③から⑤を制限時間に応じて繰り返す
※途中参加は可能

トイツ

 次に、二つ目は『トイツ』です。『トイツ』は『キミロク』より参加者主体のゲームです。そのため、数回目や元から知り合っている人同士でやることをお勧めします。
 『キミロク』と『トイツ』の最も大きな違いは、『キミロク』ではマス目に質問を書いておくことに対し、『トイツ』ではゲームの中で参加者に質問を考えてもらうフェーズがあるということです。つまり、『キミロク』では質問を運営者がデザインしていたことに対し、『トイツ』では参加者が質問をデザインします。
※『キミロク』と『トイツ』ではルールも全然違います。

トイツの遊び方

想定人数:二~七人
プレイ時間:一時間半から二時間半

ゲームの流れ
①主催者が質問のテーマを一つ決める。(例)「つながり」や「コロナ」など
②参加者にテーマに沿った質問を書いてもらう。※質問の枚数制限はない。
 (質問例)つながり:質の良いつながりとは?/コロナ:休日のすごし方はどうなった?
③参加者の質問を集め、三つか四つ程度の山札にする。
④山札をシャッフルする。
⑤好きな山札から一枚カードを抜いて、質問に答える。
※以下、⑤を繰り返す。

レットイ(キミロクの簡易版)

レットイ

 三つめは『レットイ』です。
 『レットイ』のコンセプトはキミロクの簡易版です。『キミロク』では何人もの参加者がコミュニケーションをとる関係である程度時間が必要ですが、『レットイ』は質問に答えるというフェーズに絞ることで必要な時間が省略されています。
 だからと言って、コミュニケーションが生まれないということではありません。
 『キミロク』ではその場でコミュニケーションをとりますが、『レットイ』ではコルクボードなどを介して交流します。

レットイの遊び方

プレイ時間:数分

ゲームの流れ
①ルーレットを回してもらう
②ルーレットの針が指す質問に答える
③答えを付箋に書く
④答えをボードに張り付ける

カタロウド

カタロウド

 四つ目は『カタロウド』です。
 『カタロウド』は福祉施設の人と共に遊ぶために作られたキミロクです。『キミロク』は比較的自由にボードの中を歩き回ることができるので、ある程度頭を使います。ただ、それは福祉施設の人には大変な作業でした。
 そこで、『カタロウド』では普通のすごろくのようなスタートとゴールが設定されています。それによって、複雑なゲーム性が簡略化され、福祉施設の人もコミュニケーションを楽しむことができるようになりました。

カタロウドの遊び方

想定人数 :二~五人
プレイ時間:三十分~一時間

勝利条件
ゴールにたどり着く

ゲームの流れ
①自分の駒の選択とプレイヤー同士の自己紹介
②スタートにコマを置く
③さいころを振る
止まったマスの質問について話す
※以下、③から④を制限時間に応じて繰り返す。

アテナ~宛名とハテナを当てな~

アテナ

 五つ目は『アテナ~宛名とハテナを当てな~』です。
 このゲームは、『キミロク』より深いコミュニケーションをプロデュースするために作られました。『キミロク』や『トイツ』は初対面の人同士でも楽しめるように設計されているため、軽い話も回っています。しかし、『アテナ~宛名とハテナを当てな~』では深い話をするという要素を強化して作られています。

アテナ~宛名とハテナを当てな~

想定人数 :三~七人
プレイ時間:五分~一時間

ゲームの流れ
①参加者の中から出題者を一人決める
②出題者は宛名カードとはてなカードをそれぞれ一枚ずつひく。【○○さん】の【○○】という質問が出来上がるので、出題者はそれの答えをイメージで答える。
(例)【やまださん】の【靴下の色】/【田中さん】の【前世の動物】など
③参加者は出題者の答えを推測して、答え(【○○さん】と【○○】という質問)を当てる
※以下、①から③を繰り返す。

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